2009年5月21日木曜日

苦海浄土
















「苦海浄土 わが水俣病」 石牟礼道子

にがうみだと思っていた、くかいじょうど。
汚される前の水俣は信じられないくらい美しい。

引用は
三十七号患者 坂上ゆき、漁師だった彼女のことば。
水俣病にかかり、死んだ。海も。

「海の水も流れよる。ふじ壷じゃの、いそぎんちゃくじゃの、海松じゃの、水のそろそろと流れてゆく先々に、いっぱい花をつけてゆれよるよ。
わけても魚どんがうつくしか。いそぎんちゃくは菊の花の満開のごたる。海松は海の中の崖のとっかかりに、枝ぶりのよかとの段々をつくっとる。
ひじきは雪やなぎの花の枝のごとしとる。藻は竹の林のごたる。
海の底の景色も陸の上とおんなじに、春も秋も夏も冬もあったとばい。うちゃ、きっと海の底には竜宮のあるとおもうとる。夢んごてうつくしかもね。海に飽くちゅうこた、決してなかりよった。
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うちゃ泣こうごたる。もういっぺん———行こうごたる、海に。」


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